近年、SNSなどで「メンタルブレイク」という言葉が使われています。

10~20代を中心に使われている言葉で心が壊れることを意味しますが、ストレスやプレッシャーが多い受験生はメンタルブレイクする可能性があり、他人事ではありません。

この記事では、受験生がメンタルブレイクする原因、前兆や症状、対処法について解説します。

メンタルの強さに自信がない・不安を感じている受験生は、この記事を読んでメンタルブレイクを回避しましょう。

 

メンタルブレイクの意味

メンタルブレイクとは心が壊れるという意味です。

2つの英単語を組み合わせただけで心理学などの専門用語ではありません。

ネットから生まれた造語の1つで和製英語でもあります。

心が壊れると聞くとメンタルへの深刻なダメージをイメージしますが、SNSなどで使われる時は深刻な状況ではなく「電車に乗り遅れた」「欲しかった物が売り切れていた」など、少しだけ残念な気持ちになる時によく使われます。

 

メンタルブレイクと類似した言葉

メンタルブレイクと意味が似ている言葉は他に「メンタル崩壊」や「死」という漢字を使わず、「タヒ」とカタカナで表現したり、つらいという意味の「つらたん」などもあり、意味はほぼ同じです。

また、メンタルブレイクは「メンブレ」メンタル崩壊は「メンホー」と略して使われることもあります。

 

受験生がメンタルブレイクする原因

SNSなどではメンタルブレイクは簡単に使われる言葉ですが、受験生に対して使う時は深刻な状態を意味すると考えるべきです。

受験生がメンタルブレイクする原因について解説します。

 

失敗への恐怖

受験への失敗の恐怖を誰でも感じることがあるはずです。

受験本番まで日数がある時は漠然とした不安で済むかもしれません。

しかし、あと一カ月、あと一週間と受験本番が近付くほど「失敗したら、どうしよう」と、不安が増大します。

模試などで合格できる可能性が高いと判断されていても、少しずつ失敗への恐怖が増大していき、メンタルブレイクを起こす可能性があります。

 

受験する意味が見いだせない時

受験勉強をしているとストレスから、「勉強していれば合格できるのか?」「こんなに必死に勉強する意味があるのか?」と、受験勉強をする意味が見いだせなくなります。

このまま、ストレスが溜まり続けてメンタルブレイクすると、机に向かうことも参考書を開くこともできなくなってしまいます。

 

勉強で結果が出せない時

自分では手ごたえを感じているのに成績が思うように上がらないと「がんばっているのに」と、心が折れる時があります。

勉強しても成績が上がらないことは誰にでも起きることです。

また、がんばればいいと、気持ちの切り替えがうまくできないとメンタルブレイクの原因となります。

 

外部環境の悪さ

受験勉強に集中するには外部環境も重要です。

一緒に勉強する友達がいれば勉強へのモチベーションが上がりますが、そのような友達がいないとモチベーションを維持するのも難しくなります。

この他に家庭内で勉強に集中する環境が作れない・経済的な問題など、受験生本人では解決方法がない外部環境の悪さが合わさることで、メンタルブレイクの原因となります。

 

メンタルブレイクの前兆・症状

メンタルブレイクは必ず、前兆があります。

以下の3つを自覚したら、注意が必要です。

 

何をしても楽しいと思えない

趣味など好きなことをしている時や友達と話しても楽しいと思えない・モチベーションが上がらないと感じたら、メンタルブレイクの前兆・症状の可能性があります。

何かをして楽しいと思えるのは心に余裕があるからです。

心配事や不安を抱えて心に余裕がないと、どんなに好きなことであっても楽しいと思えなくなります。

今まで楽しいと思えていたことが、楽しいとも面白いとも感じなくなったら、メンタルブレイクの兆候かもしれないと考えましょう。

 

身だしなみに気を使わなくなる

制服のボタンが留まっていない・ネクタイが曲がっている・寝ぐせに気付かずに髪型が乱れていることを友達などに言われて初めて気づいた。

このような時もメンタルブレイクの可能性があります。

ドラマや映画などで、メンタルブレイクした人を髪や服装の乱れで表現することがあります。

これはメンタルブレイクした時、周りの目を意識できなくなり、身だしなみを整えようとしないためです。

身だしなみの乱れは自分では気付かない時があります。

周りから身だしなみについて注意されることが多くなったと感じたら、注意が必要です。

 

十分な睡眠や食事がとれなくなる

眠れない・食事が喉を通らなくなったら、メンタルブレイクしかけている・している証拠だと言えます。

睡眠と食事は人間の基本的な行動です。

心身のバランスが安定していれば意識しなくても、この2つは問題なくできます。

しかし、不安や心配事、焦りなどのマイナスの感情が心を支配していると眠れない・食事が取れなくなっていきます。

睡眠と食事が不十分だと判断力も低下して冷静な判断ができなくなるため、危険な状態だと言えます。

 

メンタルブレイクしてしまう人の特徴

メンタルブレイクは誰にでも起きる可能性がありますが、以下の5つの特徴がある人は特に注意が必要かもしれません。

メンタルブレイクしてしまう人の特徴を解説します。

 

完璧主義の人

完璧主義の人はメンタルブレイクしやすいと言えます。

何事も完璧にしようとする気持ちは良いことですが、完璧にやり遂げようという気持ちが強すぎると、予定通りに勉強が進まなかった時にイライラやストレスを感じやすくなります。

予定通りに物事が進まないのは、よくあることです。

ちょっとしたズレやミスを許容できずに無理して予定通りに進めようとすると、心に余裕がなくなり不必要なストレスが溜まって、メンタルブレイクを起こす可能性が高まっていきます。

 

周囲の評価を気にする人

親や教師など、周囲の評価を気にする人もメンタルブレイクしやすい人の特徴です。

自分では十分な結果を残せたと思っていても、周囲の自分への評価が低いと「期待に応えられない自分のせい」だと、がんばろうとして自分を追い詰めていきます。

程よいプレッシャーは緊張感を持って勉強できますが、大きすぎるプレッシャーは心の余裕を奪うだけで良い結果に結び付きません。

周囲の評価を気にするのではなく、自分が満足できる結果が出せているかが重要です。

周囲の評価にとらわれすぎると、どんどん、メンタルブレイクの可能性が高まります。

 

真面目過ぎる人

真面目過ぎる人も要注意です。

真面目な人は、すべてのことに全力で取り組もうと抱え込んでいきます。

抱え込んだすべてを処理できれば問題ありませんが、物事には限界があります。

処理できる限界を超えることで、メンタルブレイクを起こしてしまいます。

真面目過ぎる人は病みやすいため、最もメンタルブレイクしやすい人と言えるかもしれません。

真面目に取り組むのは良いことですが、少しサボることも大切です。

 

ストレスを溜めやすい人

ストレスを溜めやすい人もメンタルブレイクしやすい人として挙げられます。

ストレスは適度に発散しないと、一気に爆発する恐れがあります。

特にストレスを溜めやすい人は爆発の方向がメンタルブレイクに向かいやすい特徴があります。

ストレスは誰でも感じるものです。

無理に我慢してストレスを溜めずに勉強に支障が出ないように時間を決めて趣味や好きなことをするなど、自分に合ったストレスの発散方法を見つけて、気持ちを切り替えられるようにしましょう。

 

マイナス思考の人

マイナス思考の人は受験への不安から病みやすくなり、メンタルブレイクする恐れがあります。

どんなことに対してもマイナス方向に考えるようでは、良い結果にはつながりません。

マイナス思考からプラス思考に切り替えるのは簡単ではありませんが、マイナス思考のままでは受験に対してもですが、受験後の人生にも良い影響を与えません。

悪かったところを注目して見るのではなく、何かで失敗しても、その中でも良かったと思えるところを見つけて、プラス思考ができるよう心がけましょう。

 

メンタルブレイクしないための対処法

メンタルブレイクするギリギリまで踏ん張ろうとするのは危険です。

対処法を理解して、メンタルブレイクを回避しましょう。

 

ハードルを下げる

受験勉強に全力で挑むのは良いことですが完璧を目指そうとすると、いつかメンタルブレイクする恐れがあります。

人間は機械ではありません。

体調不良や勉強に集中できない時があります。

こういった状況で勉強しても効率が下がって、ストレスが溜まるだけです。

このような時は少しハードルを下げて完璧を目指すのを止めましょう。

体調が良くない・気分が乗らなければ、勉強しないで身体を休める・気分転換すると切り替えて、受験勉強から離れることで余裕が持てます。

心身に余裕があれば、改めて受験勉強に集中できます。

ハードルを少しだけ下げて、心を守りましょう。

 

余裕のあるスケジュールを組む

スケジュールはある程度、余裕を持って組みましょう。

学校や塾や予備校以外の時間も目いっぱい勉強すれば学力はつきますが、心身が休まる時間がありません。

スケジュールを組むこと自体は問題ありませんが、分刻みのような細かいスケジュールを組むとイレギュラーな自体が発生した場合、その後のスケジュールがさらに過密になり、自分を追い詰めます。

常に細かいスケジュールは組まず、ある程度、余裕があるスケジュールを組みましょう。

 

睡眠と食事をしっかりとる

受験生は寝る間も惜しんで勉強するイメージがあるかもしれませんが、睡眠時間を削れば削るほど、疲労回復が不十分となり脳の働きが低下します。

また、しっかり食事をとらないと活動に必要なカロリーがとれません。

疲労回復と栄養が不十分では勉強をしても良い結果は得られません。

学習効率だけでなくメンタルにも支障が出ます。

少なくとも7時間の睡眠と、朝昼晩、しっかりと食事をとりましょう。

 

メンタルブレイクを回避して受験を乗り切ろう

メンタルブレイクについて解説しました。

受験中は自分を追い込む状況が多くなり、気付かないうちにメンタルブレイクに近付いていることがあります。

前兆に気づけばメンタルブレイクは回避できます。

普段からメンタルケアを心がけることが重要です。

紹介したメンタルブレイクの前兆や対処法を意識しておきましょう。

自己診断では不安なら、医療機関に受診するのも心を保つ方法の1つです。

心のバランスを保って受験を乗り切りましょう。

 
 

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