受験生の方々は志望校へ合格するために、膨大な量の学習を効率を意識しつつ、加えて長期間にわたって継続していかなければなりません。
そのような生活を送っていては精神的な重圧が常にかかってしまいますから、受験生の方々の中には、メンタルが不安定になってしまう方もいます。
そしてメンタルが不安定になってしまっては、受験勉強の進み具合にも暗い影を落としてしまいます。
そこで今回の記事では、すべての受験生の方々へ向けて、精神が不安定にならないための方法などについて解説していきましょう。
精神が不安定になる原因の種類
精神が不安定にならないための方法の解説に先立って、まずは精神が不安定になってしまう原因について探っていきましょう。
精神が不安定になる原因をきちんと知っておくことで、後に述べるメンタルの不調を改善させるためのテクニックを、より正しく実践できるようになるはずです。
身体的な原因
精神が不安定になってしまう身体的な原因としてあげられやすいのが、睡眠不足が続いてしまうことや生活リズムの乱れなどがあげられます。
睡眠不足が続いてしまうと脳内の理性を司る部位と、衝動を司る部位の連絡が上手く取れなくなってしまいます。
その結果、情緒が不安定となり精神が不安定になるというわけです。
また、生活リズムの乱れも睡眠不足と関係してくるほか、食習慣の乱れにも関係してきます。
適切な栄養素をきちんと摂取していないと代謝がしっかり行われないほか、脳内を健康に保つためのホルモンも産生されません。
そのため、精神が不安定になってもまったく不思議ではないのです。
メンタル的な原因
精神が不安定になってしまうメンタル的な原因の主なものとしては、受験勉強に起因するストレスや不安感などが代表例と言えるでしょう。
受験生は一日に何時間もの間、机に向かい続けるわけですから、そのストレスたるやはかり知れません。
また、模試の結果が思わしくなかったり、偏差値がなかなか向上しないといった状況では、強い不安感を覚えてしまうのも無理はないでしょう。
このようなストレスや不安は、知らずしらずのうちに本人のメンタルをむしばんでいってしまいますから、精神が不安定になってしまう大きな原因となり得るのです。
そのほかの原因
精神が不安定になってしまう、そのほかの原因についても見ていきましょう。
上述した原因以外の、精神が不安定になってしまう原因としては、生育環境があげられます。
たとえば、両親から満足な養育が受けられなかったり、幼い頃に十分な愛情を受けられなかったりすると、脳内の「前頭前野(ぜんとうぜんや)」と呼ばれる部位の発育に悪影響が出ることがわかっています。
前頭前野はものごとの判断をくだしたりする部位ですが、この部位の発育が不十分であると情緒に問題が生じやすくなります。
また近年、遺伝的な要因も精神が不安定になりやすい要素として、注目を集められるようになりました。
人間の身体能力が遺伝によって影響を受けるように、精神的な強さや正常な状態に保つ力も、遺伝によってある程度、決定づけられるというわけです。
当てはまったら注意!精神が不安定になったときの症状
続いて、精神が不安定になったときにあらわれやすい症状についても見ていきましょう。
本項では、身体的な症状と精神的な症状にわけて解説していきます。
身体的な症状
最初は、身体的な症状の方から説明していきましょう。
精神が不安定になってしまったときに、あらわれやすい症状について下記表にまとめましたので、ご自身に当てはまるものがあるかどうかチェックしてみてください。
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精神的な症状
次に、精神的な症状についても下記表にまとめました。
身体的な症状よりも数多くの異常が発生しますので、よく確認してください。
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これらに当てはまるものがある方は、メンタルが不調におちいっている可能性が高いと言えます。
次項で解説する、精神が不安定な状態から抜け出すための方法を試してみてください。
精神が不安定な状態から脱却しよう!おすすめの改善方法を解説
ここから先は精神が不安定な状態から抜け出すための、改善方法について解説していきましょう。
精神が不安定な状態を改善するためのテクニックを、全部で3点ピックアップしてまとめました。
読書でストレスホルモンを低下させる
みなさんもご存じのとおり、共通テストをはじめとする大学の一次試験では、主に学力検査が課されます。
国語や英語、数学に理科などの教科の成績で合否が判定され、二次試験への切符を争うこととなります。
その二次試験ですが、共通テストのときとは違い小論文試験が課されることも珍しくありません。
もちろん、二次試験においても学力検査が課されることもありますが、小論文試験を同時に課す大学も数多く存在します。
この小論文対策では、文章を作成する能力はもとより読解する能力も問われます。
そのため、日ごろから読書に慣れ親しんでおき、文章から内容を正しく読み取る訓練をしておかなければいけません。
読書はストレスを解消してくれる効果が研究で明らかにされています。
精神が不安定な状態を感じている受験生の方々は、一度ペンを休めてみて、読書で休憩を取ってみてはいかがでしょうか。
マインドフルネスで不安とうつを緩和する
マインドフルネスは、近年メディアなどで多く取り上げられるようになったメンタルの改善方法です。
このマインドフルネスを実践することで、不安感やうつの症状が緩和される効果が認められています。
まさに、精神が不安定な状態から抜け出すための方法としては、うってつけと言えるでしょう。
マインドフルネスの実践方法
マインドフルネスには様々な方法がありますが、本記事で受験生の方々におすすめしたいのが、運動を取り入れたマインドフルネスです。
自分の動きを意識した状態で20分から30分の間、軽く息が上がるくらいのエクササイズをしてください。
ウォーキングよりも、ややハードなくらいの運動ととらえてもらえれば、イメージしやすいかと思います。
そして、このマインドフルネスを実践するうえで大切なことは、自分の一挙手一投足に常に意識を向けることです。
身体の動きだけに集中していれば余計な不安ごとを考えなくてすむため、心の余裕が生まれます。
したがって頭の中がニュートラルな状態に近づき、ひいては精神が不安定な状態から抜け出せるというわけです。
ドーパミンをコントロールする
人間はなにかハッピーなことがあると、脳内から「ドーパミン」と呼ばれるホルモンが放出され、快楽を得ることができます。
一例を出すと、美味しいものを食べたときなどがその典型です。
しかし、このドーパミンには依存性があるため注意しなければなりません。
高卒生の受験生の場合、お酒やタバコをたしなむ方もいるはずです。
このお酒やタバコにもドーパミンを放出させる力があるのですが、一度ドーパミンが放たれた後に時間が経過すると、気分がイライラしたり落ち込んでしまうようになってしまいます。
高卒生の受験の方々にあってはお酒もタバコも控えて、上手にドーパミンをコントールして精神を安定した状態に保つ努力が求められます。
不安定な精神状態を戻すに最適なのは精神科・心療内科?
精神が不安定に感じたとき多くの方が病院の受診を検討するはずですが、ここで問題となるのが、精神科と心療内科では、どちらがよいのでしょうか?
結論から言うと、どちらを選んでも問題ありません。
どちらの診療科もメンタルヘルスを専門として扱っていますので、ご自身にとって通いやすそうな方を選んでください。
精神の不安定を感じたら改善法と病院への受診の両方で対処!
今回の記事では、精神が不安定な状態から脱却するための方法について、詳細に解説してきました。
常にストレスに晒され続ける受験生のみなさんは、精神が不調をきたし不安定になってしまうことも少なくありません。
そして、精神が不安定な状態を放置していては受験鬱などを発症してしまい、志望校合格から大きく遠のいてしまいます。
精神が不安定になりそうな予兆を感じたら、本記事で取り上げた方法を実践したり、病院を受診するなどして速やかに対処してください。